4月24日の武誕生日祝に日記にて書いた即興お祝いSSです。。。
ブログからこちらへも移しちゃいました;;
*****ダブルバースディ*****
いつものようにツナを迎えにやってきた獄寺は玄関から出てきたツナの手に抱えられたリボン掛けされた箱を目に留めた。
「おはようございます、10代目・・・その箱は?」
「おはよ、獄寺くん。コレね、昨日母さんに今日が山本の誕生日だって言ったらケーキ焼くってはりきっちゃって。俺からのプレゼントもあるんだけどね、別にもたされちゃった」
山本の為にプレゼントを用意したツナのやさしさに、獄寺は感銘を覚える。
と同時にどこか黒い感情まで覚えてしまった自分を心の中で戒めた。
「山本だけちょっと俺たちよりもオトナになるんだよね。」
学校へ向かう道のり、山本についての会話が続く。
「別に、変わんないっすよ、あんなヤツ。野球バカに変化はありません。」
苦笑するツナの隣で、言葉とは裏腹に、獄寺も密かにバッグの中には贈り物を忍ばせていた。
「ま、でも10代目がお祝いなさるんでしたら俺もご一緒しますよ。」
獄寺は何を渡すのかと聞かれると、ごそごそとバッグをあさり、小さな封筒をだした。
「コレっす。」
首をかしげながらツナが受け取って、まだ封をされていないその封筒を開けてみるとそこに入っていたものは・・・。
「え・・・獄寺くん・・これって・・」
「『俺チケット』です!」
切符のような紙切れが3枚ほど入っており、そこには『試合観戦に行ってやる券』『ソーメンパンおごってやる券』『特別フリーダム券』などと書かれていた手作りのチケットのようだった。
子供の遊びか、と心中で大きく突っ込みながら、中身を戻しツナは獄寺に返した。
本当に祝ってやる気はあるのだろうかと疑問に思い、いやきっとないと即座に否定したツナだった。
教室へ着くと、ツナは一足先に登校していた山本を見つけかけよって母からのプレゼントを先に渡す。
「サンキュー、おばさんにもありがとって言っといてな!」
屈託のない笑顔で嬉しそうに笑って受け取る山本。
「それと、俺からはこれ。気に入ってもらえるかわからないけど・・・」
透明なセロファンでラッピングされたツナの差し出したそれの中身は青色のリストバンドだった。
「部活でとか、使わないかなって・・。」
「わりーなー。嬉しいぜ。早速使わせてもらうな。」
「・・おい。」
獄寺がツナと山本のやりとりに割って入る。
「仕方ねーからコレやる。」
先ほどツナが中身を確認したあの封筒だった。
(・・・獄寺くん、本気だったんだ・・・)
封筒を差し出す獄寺を見てうなだれたツナ。
対してプレゼントされた張本人は面白そうに喜んでいた。
「獄寺ってやっぱおもしろいのなー!!サンキュー。」
「ふん」
そのまま自分の席へと行ってしまった獄寺の姿にツナは違和感を覚えた。
いつもならここでさらに食ってかかるのに・・・。
・・・・・・・放課後。獄寺が一人ツナを待っていた。
「獄寺ちょっといーか?」
「なんだよ、10代目お送りする為にお待ちしてんだ。」
ツナがクラス日誌を提出しに行っている間の時間だけということで、誰もいなくなった教室で話すことにした。
「今朝くれたあの券な」
「早速使ってもい?」
「な、お前・・・アレ本気で・・・」
山本は握っていた『特別券』を差し出した。
「キスとかダメ?」
目を見開いて硬直する獄寺。
「俺獄寺とキスしたいのな」
その目は実に真剣で。山本は獄寺をまっすぐに見つめる。
「ばっ・・バカなこといってんじゃねぇ!」
「これで何でも言うこときいてくれるんだろ?」
「な・・・」
獄寺の答えを待たずに彼の両肩を捕まえる山本。机越しにぐっと距離を狭めていく。
胸の奥が熱くなり、熱の塊が胸の中を暴れまわる。
固く目を閉じてややうつむくと寸でのところで再び山本がささやいた。
「俺、獄寺がスキなのな」
喉元にまで、発生した熱がこみ上げて息ができない獄寺。
「だから好きな人とキスがしたい。誕生日プレゼントにもらってもい?」
熱は喉から頬から全身へめぐり、顔体中が一気に熱くなっていくのを感じた。
肯定の返事を口にすることもできず、やや顎をあげるとそこへ山本の唇が降りてくる。
ほんの一瞬の触れるだけのキス。
なのにそれだけでぞくぞくと背筋に電流が走った。
「獄寺、ありがとなー」
ゆっくりと目をあけていくと照れ笑いを浮かべる山本が目に入った。
「獄寺とキスできただけで嬉しいぜ、俺。すげーイイ誕生日になった。」
「それだけでいいのかよ。」
「だって、お前はあの券があったからしてくれたんだろ?」
なかなか真意の伝わらない山本に対し、イライラとしてしまう獄寺。
「だからって、フツーこんなことしねーだろって・・・」
「ん?そうなのな??」
獄寺が机を拳で強く叩く。彼のバッグが床へと落ち、中身が散らばった。
「フツー、好きなヤツとしかしねーだろって言ってんだろが!!」
そこまで言われてようやく理解した山本は、机の向こう側の獄寺の隣へ移る。
「獄寺、俺のこと好きなの。」
「ウルセェ・・・」
反抗する言葉とは裏腹に、近寄る山本を振り払おうとはしなかった。
「すげー、俺、今年の誕生日一生忘れられねー。」
そっと獄寺を抱き寄せる山本。ちらと床に散らばった獄寺のバッグの中身が目に留まった。
「あれ?これってツナがくれたリストバンドじゃねーか?」
「ちが・・・それは・・・」
山本は自分のポケットをさぐり、ツナから貰った方の存在を確認する。
「ツナのはこっちなのな・・・?」
「10代目とかぶっちまったんだよ!」
ツナに見せた手作りのチケットとは別にバッグに忍ばせていた贈り物だった。
山本に渡すかどうか、迷いに迷っていたため、真剣に選んだ方の贈り物はツナとの重複もあって渡さずに処分しようとしていたのだった。
「じゃぁさ!」
ツナからのリストバンドを右手に、獄寺からのリストバンドを左手に装着する。
「なんのつもりだ。」
「ほら、結婚指輪って左手にするだろー?だから、獄寺のは左手な!」
「バーカ!恋人でもねークセになんで結婚とかまでぶっとんでんだよ!」
驚いたように目を丸くする山本。
「だって俺達、好きあってんじゃん。恋人でいいだろ?」
「なっ!俺の了承は無視かよ。」
顔いっぱいに幸せそうな表情を浮かべる山本。
「だってさっき俺のこと好きっていったようなもんじゃね?」
図星を言われて視線をそらすしかできない獄寺。
「じゃー今日が誕生日で記念日だなー。」
「獄寺くんごめんね!!・・・あ、山本も待っててくれたの?」
そこへ用が済んだツナが教室へ駆け戻ってきた。
すばやく距離をとる獄寺。
「獄寺・・くん?」
やけにうれしそうな山本と、いつも以上に不機嫌そうででもどこか照れた感じのする獄寺、それに散らばった獄寺の持ち物を並べ見て、ツナは不思議に思った。
「どうかしたの?」
「ななななんでもないっです!さっ、帰りましょう!!」
「じゃー俺も一緒な。いーだろ、ツナ?」
もちろんとうなずきながら、いつもと違う感じのする獄寺にもう一度問いかけた。
「何かあったの、大丈夫?」
「あったのなー」
「うるせぇ!野球っバーカ!」
ここからが始まり、こんな始まり。ダブルバースディ。
*****
→→→リボラジにて、すぐるんぱのお誕生日にのせ様がプレゼントしたという『○○券』がかわいすぎたので、ごっきゅんにもさせてみましたv
チケット使用するすぐるんぱの黒降臨っぷりがステキだったのと重なって、武のお祝いもこんなになっちゃいました。。。
→TOP